映画「しとやかな獣」(1962年・大映)
2011年09月22日 (木) | 編集 |

   しとやかな獣

(あらすじ)
川島雄三監督と若尾文子のコンビによるピカレスク・コメディの傑作。
公団住宅に住むもと海軍中佐の夫婦が、芸能プロに勤務する息子、小説家の愛人である娘を使って金をだまし取り、裕福な生活を楽しむ。
一方で息子と深い関係にある芸能プロの経理担当・幸枝(若尾文子)は男達を手玉にとり、一家を上回るしたたかさで旅館の開業資金を手にする。


(キャスト)
若尾文子  (三谷幸枝)
伊藤雄之助 (前田時造)
山岡久乃  (前田よしの)
川畑愛光  (前田実)
浜田ゆう子 (前田友子)
高松英郎  (香取一郎)
小沢昭一  (ピノサク)
船越英二  (神谷栄作)
山茶花究  (吉沢駿太郎)
ミヤコ蝶々 (マダムゆき)

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(感想等)
私的若尾文子様祭り、続けてすみません(笑)
この息もつかせぬたたみかけるような展開、
ほぼアパート内で展開される密室劇、キャスト(の演技)が濃いっ!めっちゃ濃いっ!
濃密なブラックコメディでございました。

一家ぐるみで芸能プロと小説家から金を巻きあげて生活しているなんて、
冒頭から
「うわっ、このクズ家族っ( ̄□ ̄;)」とビックリしましたが(どう見ても一家総出でたかり屋)、
息つくひまも無く次から次へと金を巡るドロドロとした内容ながらも、どこかおかしみのある展開です。
たかり一家なのに、えらそーに常に自分を棚に上げて上から目線で飄々としている父親、
やってることは極悪非道なのに、口調だけは上品ぶってる母親、
この親にしてこの子供ありな娘と息子。
・・・・・何度「お前が言うな」と思ったことか(笑)

そんなドイヒーな一家より更に上を行く女がいた。
息子が勤務していた芸能プロの経理担当の幸枝。
このクズ一家の息子・実や、芸能プロの社長の香取、税務署の神谷など男達を手玉にとり、
法律的には合法に金を手に入れ(違法行為してお金を作った男達から、金を貢いでもらってた。経理の仕事としては違法行為はしてなかったようで)、
旅館を建てたのだ。
(直接的に自分は手を下さずにまんまと・・・・ひぃぃぃ~)
そして契約で付き合ってたので別れると実に告げるドライな幸枝。

文たん・・・・こういうドSな役似合いまくり

ブチ切れる実や香取社長の言い分などおかまいなし。
口でとうとうと語り、税務署の神谷が警察に捕まったけれども、
(もし神谷が自殺したら)あなたたちは捕まるかもしれないが、自分は何も無いからと、
綿密な計画としたたかさを見せつける幸枝
(強いっ!強すぎるっ!!)

旅館の女将になってからは、着物姿で上品に・・・・だけどその表情からはますますしたたかさと強さが前面に現れ、色香と共に悪女っぷりがたまんないです、文子様(笑)
(ちなみに幸枝は女一人で子供を育てている)

一方、神谷はブチ切れた実や香取社長とは対照的に、幸枝に対して逆に悪かったという意識を持つくらい彼女に心酔。

そして・・・・神谷は雨の降る中、アパートの屋上から身を乗り出したのだった。


ラストの山岡久乃さん(母親)が振り返った表情がすべてを物語ってますね。
それにしても、幸枝・・・・まさか神谷が自殺したことまでまさか・・・・まさかね
((((;゚Д゚))))ガクブル

ほぼ密室劇に近いため、登場人物が少ないのだけれども、
人物のやりとりが濃厚なために、全く飽きさせません。
キャラクターが濃いわぁ。
劇中、要所要所に入る和楽器の笛や鼓などの音楽も効果的に入っていて印象的です。
(気のせいか、窓の外の天気も展開と共に不穏な天気になってったような)

若尾文子さんも凄かったけど、山岡久乃さんも凄かったなぁ・・・・あの母親。
上品ぶった態度とってるけれども、やってることは下衆なこと。
冒頭の、やってくる芸能プロの人たちをごまかすために部屋を貧乏くさく見せようとする場面からして、
父親以上にしたたかやなぁ・・・・・と
(ラストの振り返った顔も冷めた表情でなんとも)

かなり面白い映画でした(・▽・)V



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テーマ:邦画
ジャンル:映画
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