映画「心中天網島」(1969年/表現社・ATG)
2011年01月03日 (月) | 編集 |
お正月、熊猫屋は時代劇をガシガシ観ておりましたが、
すんません、また暗い話です。
しかも心中ものっ(; ̄▽ ̄)オイオイ、おめでたい三が日にそれはない。
近松門左衛門の「心中天網島」を、篠田正浩監督が映像化した作品です。

あらすじは、大体浄瑠璃の同作品に沿ってますので、
手抜きで申し訳ござらんがwikiをご覧下され

wiki「心中天網島」

(キャスト)
岩下志麻 (治兵衛の妻おさん/遊女小春)
二世中村吉右衛門 (紙屋治兵衛)
小松方正 (太兵衛)
滝田裕介 (孫右衛門)
藤原釜足 (大和屋の主人)
加藤嘉 (五三衛門)
河原崎しづ江 (おさんの母)
左時枝 (下女お杉)
日高澄子 (河庄の女将)
浜村純 (黒子の頭)
土屋晋次 (堪太郎)
戸沢香織 (お末)
赤塚真人 (丁稚三五郎)
上原運子 (女中玉)
陶隆司 (煮売屋主人)
牧田正嗣 (客)
演劇実験室 天井桟敷の人々 (黒子たち・遊女たち)
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(感想等)
はじめこれを観ようかと思った動機は、私的吉右衛門さん祭りをしようかと購入したんですけどね。
実のところ、同じ吉右衛門さん出演でも「あヽ海軍」とかなり迷ったのを白状しとく(笑)。
時代劇ブログをやってるので、ネタとしてはこっちだろうと。
(海軍の方もそのうち買うよ!)

それが、これかなり当たり作品でした。
確かに全編もんのすごく暗い話なんだけれども、
映像手法が斬新で面白い!
そして何より、岩下志麻のエロっぽさと可愛らしさといったらないですわ~。

最初は、篠田監督が脚本家の人のかなぁ?電話で演出方法について話している音声が流れていて、
映像では人形浄瑠璃を上演している映像が流れています。
そして、タイトルの後に本編が流れます。

本編で実は重要な役割を担っているのが黒子の皆さん
(天井桟敷って、あの寺山修司主催のアングラ劇団ですよね)
まるで登場人物が人形であるかのように、要所要所で登場人物たちを導いていきます。

女郎屋の初登場場面では、人形のように動かぬ生身の男や女の間を、
本編の主人公の一人・紙屋治兵衛が歩き、
そして自らも黒子にセットされて遊女・小春とのシーンがスタートします。

冶兵衛の家や、女郎屋などの内部の一部は舞台的演出で、
必要最小限の小物以外はありません。
後ろにモノクロの絵がかかげられたりはしてますが。
それゆえにむしろ生身の人間の感情があふれ出るというか、
人形のように登場人物も扱われているけれども、その縛りがかえってストレートに心の内が表に出ている気がします。

しかし、岩下志麻の何とも色っぽくかつ可愛らしいことよ。
ラストに近づくにつれて、義理と情念でがんじがらめになってゆく女の哀れが増幅されていくのですが、
彼女以外に考えられない好演でございます。
おさんの女の強さと悲しさといい、おさんと小春を同じ人が演じているとは思えんなぁ。

それにつけても治兵衛の何と情けないことよー(笑)。
中盤までのふらふらした情けなさもさることながら、
最後、髷を切ったからもう仏門の人間だから妻に義理だてすることもないとか、
確かにおさんはおさんの父親によって縁切りされたとはいえ、
子供残して、更に小春と心中とは!
小春の方がそのことに対して直前までおさんに対する義理だてもあってためらってたというのに(笑)。

・・・・観終わっても
「あそこまで夫や、心中するんやないかと小春を心配していたのにあの結末とは、一番可哀想なのはおさんだよな(´・ω・`)」と、おさんに同情。


吉右衛門もさんも、後の火付盗賊改のお頭@鬼平とは真逆の、
ぐちぐちと女より情けない男を好演(笑)。
この情けなさがあるこそ、女にどっぷり感情移入できるってなもんだ。
序盤に、何でもお金で買えんもんはないわい!とめっさえらそうな小松方正さんの太兵衛(ネチネチしていてこちらも役にぴったり!)のことをどうこう言えないぞ~。


モノクロだからこそ映える映像美、研ぎ澄まされてストレートに伝わる感情、
ラスト、小春を刺した治兵衛は、黒子に最後も導かれるようにつるされた紐に首を通します。
(ここの演出も面白い。ほんとに舞台を一緒に作っているみたい)

内容は心中ものですが、
機会がありましたら是非おすすめしたい作品です^^



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テーマ:時代劇
ジャンル:テレビ・ラジオ
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