映画「浪花の恋の物語」(1959年・東映)
2010年08月26日 (木) | 編集 |
内田吐夢監督の他の作品も観てみたいなぁ~♪と、
観ましたは錦之助さんの純愛物語「浪花の恋の物語」です(・▽・)
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(あらすじ)※東映チャンネルより
近松門左衛門の名作『冥途の飛脚』を、名匠・内田吐夢が作者の近松を狂言回し風に登場させるなどして独特の様式美の世界を創出した異色時代劇。
大阪の飛脚問屋の養子・忠兵衛は、遊女・梅川を愛するあまり、梅川が他の客に見請けされるのを嫌い、それを阻止しようとする。
あげく、他人の大金を勝手に使い、梅川を引き取る。やがてふたりは罪人の身となり、人目を忍んで生まれ故郷への逃避行を敢行。
しかし、その行手には悲劇的終末が待ち構えていた。

(キャスト等)
亀屋忠兵衛 :中村錦之助
梅川:有馬稲子
おとく:花園ひろみ
槌屋治右衛門:進藤英太郎
丹波屋八右衛門:千秋実
津の国屋重左衛門:市川小太夫
江戸屋佐右衛門:沢村宗之助
寺岡甚内:有馬宏治
布袋屋藤兵衛:東野英治郎
近松門左衛門:片岡千恵蔵 ほか
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(感想等)
いやはや・・・・何とも(悲劇的だけれども)雰囲気が良い映画で、
やっぱり内田吐夢いいわぁ・・・・と感嘆。
「恋や恋なすな恋」では、大胆な色遣いが目を引きましたが、
この映画では真逆の落ち着いた色調で、
特に廓とその雰囲気の良さとセットの造りに情緒があってかなり好みです。
(セット、小道具、衣装の色調の調和がとれてると思うの)
いつもの東映娯楽時代劇とは全く違い、
文芸的な雰囲気が漂ってます。

しかし、1時間過ぎあたりからの、布袋屋藤兵衛に梅川が身受けされそうになり、
忠兵衛が乗りこんで行ったあたりから壮絶。
観るのも重い。
出来は素晴らしいのだけれども、その重さに締め付けられますですよ(TωT)。

忠兵衛がやっちまった飛脚問屋の「封印切り」は、現代で分かり易く言うと、例えば配達人が現金書留を配達せずに横領のどデカい版ってな感じでしょうかね?


それにしても、錦之助さんてばいつものチャキチャキの歯切れの良い江戸弁を封印して、
とても柔らかな上方の言葉を話しておられますが、これがまたいい雰囲気なんですよ。
気弱で内気な真面目が青年が、「恋」というものでタガが外れて道を外してしまう。
心の機微の演技が難しそうな役を、抑え気味の演技で見事に演じておられます。
目の表情、ちょっとした仕草で忠兵衛の心の動きが分かるかのようです。
これはぜひ関西に住んでおられる方にお聞きしたいのですが、
(私は方言のいい悪いは地元民じゃないので分かりませんので)
この映画の錦之助さんの上方弁はいかがでしたでしょうか?

梅川役の有馬稲子さんの、艶っぽさもあるのだけれど、どこか遠くを見た乾いた雰囲気もある哀しさの梅川もいい。


忠兵衛と梅川の逃走劇の後、捕方に捕まった後のドロドロを描くかと思ったら、
この二人を題材にして作劇していた近松が、
その結末を哀しくも艶やかな二人の踊りでもって空想し、浄瑠璃の音でもって美しく表現していたところが良かったです。
後で、梅川の回想で悲しい別れの場面も出てきてしまうのですけれども、
またその直後に、黒の背景に黒の着物、そこに浮かぶ白い肌の梅川も美しかったし、
そこからまた変わって梅川と同じ衣装の人形(浄瑠璃)で近松の芝居にに入っていく展開も素晴らしい。
(この映画では清元とか浄瑠璃が使用されてますけれども、それをまた大胆に発展させて実験的映画に進展したのが「恋や恋なすな恋」なのかな?と思ってみたり(笑))


近松役の千恵蔵御大が、フィルターを一枚通したような外からのアプローチで引き締めておられ、
こちらもまた引いた雰囲気がいいんですよねぇ。
くっつかず、離れずといった感じで。
ラスト、自分の芝居を観ながらも、実はその目はどこも見てなくて、心で二人を思い起こしているような近松の表情で締めるのも、余韻がありますよね。


キャストも何気に豪華で、最後まで見ごたえのある作品でした。
個人的にはこういうすっごい重い内容の作品は心情的に辛いのですが、
(若気のいたりにしても、忠兵衛つっぱしり過ぎでブレーキきかなかったですね^^;
途中・途中で養母の亀屋のおかみさんや、実母の手紙等、忠兵衛を諌めるような場面もあったのに、
それでも心のままにいってしまった・・・・)
情緒的で画面も美しく、余韻の残る作品で、
やはり内田吐夢、かなり好きかも~♪と思った熊猫屋でした。


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テーマ:時代劇
ジャンル:テレビ・ラジオ
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