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 映画「白扇みだれ黒髪」(1956年・東映)
2014年06月22日 (日) | 編集 |
(あらすじ)※東映chより
御家人・田宮伊右衛門は妻・以和の妹・以志と密通を繰り返している。
伊右衛門と以志の密会を知った歌舞伎作家の鶴屋南北は二人に興味を惹かれる。
以志に恋慕する安川大次郎は伊右衛門の存在を知り激怒、決斗を申し込むが、護持院ヶ原で伊右衛門の刃に倒れる。
地獄の底まで一緒にと決意する二人は数日後、隅田川で心中し、以和は狂乱し、凄惨な形相になって川に身を投げた。
そして南北は「東海道四谷怪談」を書き上げる。
原作は邦枝完二の新聞連載小説。

(感想等)
東映chで録画しておいたのを今頃鑑賞^^;
監督の河野寿一氏は映画は大友さんの「快傑黒頭巾」東千代之介さん版「雪之丞変化」「紅だすき喧嘩状」
錦之助さんの「風雲児 織田信長」や「独眼竜政宗」
橋蔵さんの「花吹雪鉄火纏」「花の折鶴笠」などの東映作品を数多く監督され、
熊猫屋も好きな作品が多い監督さんです。
(一つだけ、熊猫屋私的現段階で東映時代劇ワーストの「怪談番町皿屋敷」もあるけどな(笑)。
あれは色々ありそうだから監督のせいとも思えないのだけど^^;)

テレビ時代劇も人気作ありまくりで「新撰組血風録(栗塚さん版)」「用心棒シリーズ」「燃えよ剣(栗塚さん版)」「達磨大助事件帳」「暴れん坊将軍(第1シリーズ)」「運命峠」などなどなど・・・・
時代劇好きなら「ぐはっ!これは見てる!!」というのが必ずありそう。
そんな河野監督作品です。

本作に鶴屋南北の役で出演の坂東蓑助さんは、時系列的に何代目かな?と調べたら六代目の坂東蓑助で、
後の八代目坂東三津五郎(現・十代目三津五郎の祖父)のようです。

「東海道四谷怪談」を鶴屋南北が書くまで的なお話。

劇中に出てくる、ああいう化け者侍(千代之介さん演じる田宮伊右衛門のこと)を書いてもらいてぇなと言ってる役者は三代目・尾上菊五郎(小柴幹治さん)。
実際に三代目菊五郎は1825年に「東海道四谷怪談」の初演で演じており、当たり役だったそうで。
三代目菊五郎といえば、一旦人気絶頂時に引退した後の晩年に大川橋蔵の名で舞台に立ってますが、
私が好きな橋蔵さんは二代目でして、この三代目菊五郎が初代の大川橋蔵でもあります。

それにしても千代之介さん、こういうカゲのある悪役が似合いますなぁ。
宅悦(東野英治郎さん)が(辻斬りは誰かしらないけど)「外道」っていったまんまの伊右衛門で、
顔の表情を変えないまま、きんちゃっきりのちんば徳(原健策さん)がスッた財布を脅して奪い、
財布の持ち主に俺は旗本だと暗にふっかけて金子(しかも大金)をせしめ、
これまた無表情で辻斬りして財布を奪って、亡骸を川に蹴り落とす。
御禁制の品を沢山扱っている堺屋を脅し、観音像を50両で引きとれという。
これを外道と言わずしてなんとしよう。

伊右衛門は妻の以和(長谷川裕見子さん)の妹で奥女中をしている以志(田代百合子さん)のことが好きで、
彼女が屋敷で肩身が広くなるように、先の辻斬りや堺屋の件でせしめた金子で芝居の席を用立ててやるのですな。
それで以志は宿下がり等も比較的自由の身となり、
安川大次郎(伊藤久哉さん)との縁談も断り、
実は相愛(!!)の伊右衛門と逢引を・・・・。

ちんば徳らの謀で、いつまでも返事をもらえないことに業を煮やした安川と対面させられた以志は
伊右衛門との関係を指摘されて逃げ、
南北の保護されます。
そこで以志が挿していた簪が元で、元は清廉潔白な人物だった伊右衛門の人格が落ちていったいきさつを
宅悦を通じて知る南北。
そして、以志の口からも伊右衛門との事も知り・・・・

南北「つまり、ある一人の化け物侍がいたんだ。
ところが、そいつをとことん突き詰めてみるとな、汚い灰汁の中にぽっかりと咲いた綺麗な蓮の花があったんだ。」


↑蓮の花が純愛を意味するにしても、あそこまでやっちゃっていいのかしら?^^;

南北の屋敷の2階に潜む伊右衛門と以志。
ふとしたことで南北の姪の艶吉(吉井待子さん)の許婚の父が千草屋で、その人こそ伊右衛門が辻斬りした人物と伊右衛門は知る(恩を仇で返してるようなもんですのぅ)。

以和が南北の屋敷に来た。
ちんば徳からあらぬことを耳に入れられた以和だけど、
南北に迷惑をかけた詫びをいい、以和を連れ帰ることに(ちともめたけど)
そこへちんば徳を通じて伊右衛門に書状が。
それは安川からの決闘状だった。

自分の身に何かあった場合の以和と以志を南北に託して去る伊右衛門。
以和の留守中に宅悦が血相を抱えてやってきて、
安川と伊右衛門の決闘を知る以志。
以志は伊右衛門の元へと駆けだした。

以志が見守る中、形勢不利かと思われた伊右衛門がぎりぎりのところで安川を斬った。

南北邸。
以和と南北が対面して話している。
安川の亡きがらは身内が引きとったようだが、その時に既に伊右衛門と以志の姿はなかったという。
まだ二人のことを知らぬ以和。苦渋の表情の南北。

追われる伊右衛門と以志が夜に南北に別れの挨拶にきた。
心ばかりと白い扇子に蓮の花を描いて渡す南北。
そして、宅悦から二人の仲のことを聞いてもなお信じることができぬ以和。
心は千路に乱れる。
乱れるまま、南北に問う以和。
南北はそんなことはあろうはずはないと言うが、その目は泳いでいた。
倒れる以和。

そして・・・・二人の心中の遺体があがり、
南北が確認する中、ふらふらの以和が近づき・・・川に落ちた。
引き上げられるも、以和も息を引きとった。

「これだ・・・・・・・・・これだ!!」と叫び家路に急ぐ南北。
(ある種作家故の業か^^;)
かくして鶴屋南北作による芝居「東海道四谷怪談」が文政八年にかけられたのだった。

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いくら伊右衛門が以和と夫婦になる前から知らず相愛だったとして、
結構伊右衛門より以志が怖いなぁと思った熊猫屋です。
伊右衛門の脱線ぶり(好きな女の為に人殺しや金子脅しとりなど)も狂ってますが、
そんな伊右衛門の狂いっぷりをうすうす知りつつも私のためにと想ってそーな以志がねぇ・・・
しかも既に姉の夫なのに。
(以和が身の置き所がないくらいメンタルめちゃくちゃになる事案で酷い)。

南北センセーは一部の天才作家にありそな内に秘めたエキセントリックさが出ていてよかったわー(笑)。
一見人格者っぽく見せて、後半になるにつれてちょっとずつその面が顔を覗かせていて。

綺麗な蓮の花は結局は伊右衛門でも以志でもなかったのだな。
東千代之介さん出演作品の中でも割と上位の出来でないかと思う本作。
脇では東野さんや原さんあたりが一見雑魚っぽくも要所で出没してぼそりと発言、
そして物語が方向転換していく様が地味ながらもいい。
主役は伊右衛門なのだろうけれども、ほぼ同格で南北センセーも。
この二人を軸に、あまりにも幸薄い以和の悲劇が一番悲しい物語でありました。
(四谷怪談ができるきっかけの事件に南北がからむような話なので、別に以和が四谷怪談の岩のようにはならないので、
怪談ではございません)。
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テーマ:時代劇映画
ジャンル:映画
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