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 映画「東海道四谷怪談」(1959年・新東宝)
2012年07月31日 (火) | 編集 |
(日本映画専門chより)

鶴屋南北の人気狂言を基に、中川信夫監督が、大胆に映画化。グロテスクさと美しさ、古典的伝統と斬新な現代性など、相反する要素が色彩豊かに混在する独特の世界観の中で、弱みに付け込まれるうちに人生を踏み外す愚かなアンチ・ヒーローを、天知茂がニヒルに熱演している。
岩(若杉)との結婚を認めない彼女の父を勢いで殺害して結ばれた伊右衛門(天知)は、名家のひとり娘との縁談が持ち上がると、岩の抹殺を企てる。

(感想等)
昨年、四谷怪談ものといえば東映の若山富三郎さん主演の「怪談・お岩の亡霊」を鑑賞済みの熊猫屋ですが、
あちらはかなり鬼畜な伊右衛門(バイオレンスが容赦なかったですもんねぇ・・・・爪はがしとか・・・ぶるぶる)
であるならば、
こちらの天知茂さんの伊右衛門は、鬼畜は鬼畜なのですがチラと垣間見える悪になりきれない小心な面や、
堕ちても腐っても侍な気質がちょびっとだけ見えるところなど、
少し血が通った伊右衛門像を醸し出していると感じました。

江見俊太郎さん演じる直助はかなり悪で、伊右衛門をひっかけて自分も利を得ようとする豪胆な奴ですが、
その豪胆さは「怪談・お岩の亡霊」よりも、伊右衛門が後に引けなくなってどんどこ深みにはまる一助となっただけに悪辣です。
(お岩に毒をのませるようすすめたのも、本作では直助です)

こわい作品ではありますが、「怪談・お岩の亡霊」が徹底的に(いい意味で)娯楽ならば、
こちらは少し文芸的美しさも醸し出しながらも、
日本の恐怖映画のじっとりとした怖さを映した秀作。

あれ?お岩さんと共に殺される小平が本作ではいないなぁ?と思ったら、
その役は宅悦(大友純さん)が一手に背負ってた^^;
その宅悦は、伊右衛門にお岩さんの身体に手をかけるよう依頼されるも、
彼は悪になりきれないただの小心者なのか、
実行できずにすぐに謝ったり、毒でただれたお岩さんを心配する仕草をするなどします。
まぁ・・・・そういうちょっとだけいい人な面も出すからただの小心者扱いで、
すぐ後で伊右衛門に殺(や)られて、
お岩さんと戸板にくくられて沼に流されるんですが・・・・・(うううっ)

それにしてもお岩さん(若杉嘉津子さん)、
伊右衛門を恨んで死んでいくのですが、本作では伊右衛門不在の中、赤ん坊をかかえて死んでいきます。
殺された四谷左門の仇打ちの助太刀をしてくれると頼っていた伊右衛門に裏切られ、
捨てられ更に毒で殺害された岩。
(彼女は知らなかったが、その仇も実は伊右衛門)
それまでの過程をずっと見ているだけに哀れが増幅されます。
こわいよ~!というよりもひたすら哀れです。
女性としても、一人の人間としても、落ち度が一つもない彼女をここまで踏みにじる伊右衛門は、
いくら直助に押されるようにどんどこ前にいっちゃったとしても、
許されるものではありません(最低)。

実際「こえぇぇぇえ!」となってくるのは、
亡霊になってからなのは他の作品と同様なのですが、
戸板ごと出てくるシーンも多いですな(笑)
お梅(池内淳子さん)などを次々と岩の亡霊の影響で殺害する場面は、
東映程えげつなくない(←逆に言うと東映は鬼畜w血の惨劇だし)
伊右衛門が刀でザックリやるところは暗闇などでぼかしつつ描いてますので、
そこは自制がきいてるというか。

しかし、沼から戸板ごと「伊右衛門どの・・・・」と、
濡れた姿で出てくるお岩さんはやはし怖いですわ(正しい日本の怪談)
亡霊によって徐々に狂わされていく伊右衛門の姿が、
天知茂さんの演技の真骨頂。
ラスト、与茂七とお袖が仇打ちに伊右衛門と対峙しますが、
ある種二人が目に入っておらず、何か(まぁ・・・アレですが)に取りつかれたような形相と行動にかられる伊右衛門。
彼の死までの一部始終は必見のシーン。
(また岩と宅悦とヘビと戸板の出現がもぅね・・・・ぞくぞくしますわ)
天知茂さんは、悪役やってもどこか品がある方なので、
この伊右衛門も、最低野郎なのだけれども悲哀が醸し出されて物語性を増幅させるのですな。
ただの「こわいよー」なホラー仕立てというよりも、
映像の(おどろおどろしさもありますが)美しさや話の最初の講談調の語りなど重なって格調ある物語となっているような気がしました。

これ、DVDで録画しちゃったけど再放送あるうちにBDでも録画したい映画でした。
市販のDVDはどうやら絶版?しているようなので、
(いい映画だから再販してくれよ!)
日本映画専門chに加入している方は今がチャンスですぞ(笑)


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テーマ:時代劇映画
ジャンル:映画
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