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 映画「妖刀物語 花の吉原百人斬り」(1960年・東映)
2012年02月04日 (土) | 編集 |
(あらすじ)※東映chより

歌舞伎の「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえひざめ)」をもとに映画化。
武州佐野の商人・次郎佐衛門は律儀で真面目な男だが、生まれつき顔にみにくいアザがあるため、女には縁遠かった。あるとき取引先の誘いで吉原へ行き、遊女玉鶴と出会う。
次郎佐衛門は玉鶴に夢中になり多額の金をつぎ込むが、玉鶴は太夫になるために彼を利用していただけだった。
それを知った次郎佐衛門は、太夫となった彼女の行列に妖刀・村正を抜いて斬り込んでいく。

(キャスト)
片岡千恵蔵/水谷良重/山東昭子/木村功/千原しのぶ/沢村貞子/原健策 ほか

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(感想など)

久しぶりの映画感想記です^^;
好きな内田吐夢監督の作品だ!わーい♪
ということで鑑賞。
千恵蔵御大主演の作品です。
(そういや来月、現代ものだけど日本映画専門chで内田監督の「たそがれ酒場」やるんだけど、面白そう)

歌舞伎の「籠釣瓶花街酔醒」が下敷きになっているそうですが、
次郎佐衛門は捨て児というところから始まっていることや、
歌舞伎の八ツ橋(before玉鶴)は最初から花魁であることから、
モチーフにして作ってるのかな?と思いました。

顔に醜い痣がある次郎佐衛門(千恵蔵御大)ですが、
沢山の職人をかかえて、皆から慕われて商売の方はとても順調でした。
縁談の話は、相手の女性が彼の痣を倦厭してまとまらず、
少なからず悲しい想いをしましたが、それでも気を持ち直して商売にはげんでおりました。

なのにねぇ・・・・
越後屋丹兵衛(原健策さん)が吉原に次郎佐衛門を誘って歯車が。
女性に優しくしてもらったことが無い、真面目な次郎佐衛門。
遊女たちが彼の痣を見て嫌だと倦厭してまたもや悲しい思いをした中、
それがなんなのさ心に痣があるわけじゃないと、
笑い飛ばした岡場所上がりの玉鶴(水谷良重さん)に魅かれるのは無理はなかったでしょう。
ましてや、縁談で断られ続きの彼は、
花魁になったら一緒になってあげると言った玉鶴に入れあげる気持ちもわかります。
せっかくつかんだ愛を逃したくなかったのね。

それだけに、玉鶴が実は栄之丞(木村功さん)というヒモ男あり、
更に遊郭の主人らと口裏合わせて彼のお金を搾り取るだけ絞りとったと知った時の、
「可愛さ余って憎さ100倍」はいかばかりか。

でも、玉鶴もまた岡場所上がりで他の遊女からは岡場所上がりから花魁になれるものはいないとバカにされ、
その悔しさもあってのし上がってやる!という心に傷持ち女だったのですね。
辛酸も舐めてきたので、やることはドライ。
同じ傷持ちでも、次郎佐衛門とは立ち位置が異なります。

玉鶴にも同情する余地が(ミリほど)ありますが、
それにしても、生まれてからずっと実直に生きてきた次郎佐衛門の転落っぷりは痛く哀しい。
やっとつかんだと思った女性の愛が、偽りだったなんて。
玉鶴に大金をつぎ込んだ次郎佐衛門はバカなところもありますが、
その経緯は可哀想すぎる(TωT)

一から裸一貫で出直すことを決意し、
身辺整理した次郎佐衛門。
ずっと傍らで献身的に商売の手助けをしてくれた治六(片岡栄二郎さん)と、お咲(青山京子さん)に屋敷を譲り、彼らのために形ばかりだけど祝言をあげてやります。
(↑のシーンは泣ける・・・)

最大のクライマックスは、玉鶴改め八ツ橋の花魁道中。
次郎佐衛門は、赤ん坊で捨てられた時に共にあった守り刀(邪刀の村正)で玉鶴に襲いかかります。
そこから、玉鶴を「今日からわしの女房だ!」と刺すまでの映像美たるや、
内田吐夢だなぁ~と感じさせる映像の美しさと画面構成。
私が大好きな同監督の「恋や恋なすな恋」(橋蔵さん主演)と「浪花の恋の物語」(錦之助さん主演)の対照的な画面構成といい、「画として魅せる」作りがほんとにうまい監督さんだなぁと、
今回も感じました。
吉原を縦に俯瞰から撮って絢爛な花魁道中を映し、
豪華な八ツ橋太夫の衣装と、彼女に連なる人々、そして花魁道中を見る人々が映ります。
その華やかな情景から一転、
次郎佐衛門が襲いかかるとその場は正に修羅場と化します。
修羅場の情景もさっきまで華やかだった吉原を再び道を中心に縦に映し、
逃げるハツ橋、そして次郎佐衛門が刀を振り回して斬りかかり、捕方が次郎佐衛門を捕えようとする場面になるのです。
次郎佐衛門が追い、ハツ橋が逃げる姿をずっと俯瞰で撮影し、
最後は外界に通じる吉原の門のところまで追いつめられた八ツ橋が刺されるのです。

「廓の悪いヤツ、出てこい!廓の悪いヤツ皆殺してやる!!出てこい!!」と叫ぶ次郎佐衛門で物語は終了しますが、
このラストまで盛り上げるまでの絵づらといい、魅せるわぁと今回も満足の熊猫屋です。

他のシーンも廓のセットとか、そこを行きかう遊女たちとか見ごたえありますよ。

千恵蔵御大は、やはし硬軟併せ持った演技が今回も冴え、
田舎の商人で女性に不器用だけど真面目で商売熱心な次郎佐衛門の雰囲気がよく出ていたので、
遊女で身代崩すなんてバカだなぁと思いつつも、
あまりに可哀想で感情移入しちまいました。

玉鶴を演じた水谷良重さんは、岡場所上がりのすれっからしで冷めた目を持った女の雰囲気が良く出てました。
花柳小菊さん演じる花魁の岩橋とかから嫌味たっぷり言われても、
これ以上失うものの無い女の度胸でもって跳ね返す様が痛快。
しかし、心に傷を持つ女でも、
異なる傷を持つ次郎佐衛門を慮るまでには至らなかったのね。
そこに気づかなかった彼女もちょっとバカなんだけど、
すれ違いの不幸でございます。

ドラマチックに展開する時代劇における内田吐夢ワールドを今回も堪能させていただきました
(´▽`*)
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