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 映画「あばれ纏千両肌」(1955年・東映)
2014年06月23日 (月) | 編集 |
私的東映時代劇プチ祭り開催中^^;

次は錦之助さんの映画です^^
活きの良い錦之助さんの映画見たいなぁ~♪ということで、
これなんてどうだろ?とまたもや東映ch録画しっぱなし山からチョイス。

(あらすじ)※東映chより

暴れん坊の野狐三次が度胸を見込まれ町火消しになり、一人前になるまでを描く痛快篇。孤児の野狐三次は暴れん坊だったが、神田祭で無法を働く加賀鳶取締り・古市弥十郎を手玉にとったのを見込まれ、町火消し「ろ」組の仁右衛門に引き取られた。
敵対する加賀鳶滝五郎一家に「ろ」組の纏を奪われ、三次は纏を奪回するために滝五郎のもとへ赴く。
そこで仲裁に入った加賀藩重役・伊集院帯刀こそ三次の実の父だった…。

中村錦之助(野狐三次)
高千穂ひづる(お駒)
月形龍之介(伊集院帯刀)
原健策(滝五郎)
片岡栄二郎(片岡直次郎)
市川小太夫(仁右ヱ門)
清川荘司(永山半兵ヱ)
堺俊二(紋太)
香川良介(河内山宗俊)
星十郎(丑松)
澤田清(伊之助)
天津京之介(藤吉)
山茶花究(古市弥十郎)
・・・・他



(感想等)
講談や浪曲に出てくる野狐三次の物語です。
錦之助さん出演作としては「新諸国物語 紅孔雀」から2本くらい後の作品なんで、
まだめっちゃ駆け出しの時期ですよね!
そりゃまだ初々しい時期だから楽しみだわ~♪と拝見しました。

本作の萩原遼監督は・・・え~と、娯楽作品がとても多い監督さんですね。
戦前からの監督作品もあるようですが、圧倒的に東映黄金期。
(東映の前身の一つの東横映画も含む)
あと、東映は1950年代に作品集中してますよね。
初期は千恵蔵御大や傳次郎さん多め?だけど、そののちは
その後の世代、錦之助さんや橋蔵さんや千代之介さんのが多い気がする。
「新諸国物語」の笛吹童子や紅孔雀を監督してて、
錦之助さんだと「源義経」「あばれ振袖」「獅子丸一平シリーズ」
橋蔵さんあたりだと「江戸三国志シリーズ」や「緋ぼたん肌」「修羅時鳥」「ふり袖太鼓」あたりかな。
個人的には近衛十四郎さんの「柳生旅日記」の2本とか「江戸遊民伝」の松竹作品も捨てがたし。
割とのほほんと軽めに見られる作品が多い気がするけど、
そうやって気軽に見られるのが良いのだよ^^

錦之助さん、まだ22歳くらいの時かぁ~。
侍に手篭めにされそうになった呉服問屋の娘を助けた時に登場するのだけど、
啖呵切っててても可愛いねぇ^^

錦之助さん演じる、身よりの無い三次に惚れこんで身内にする火消し「ろ組」の頭の仁右ヱ門を演じるのが(二代目)市川小太夫さん。
初代猿之助の子で屋号は澤瀉屋。
戦後は歌舞伎以外の映画などでの活動が多かったそうですが、晩年には歌舞伎に戻られたよう。
この方の上のお兄様(次男)が映画の「忠臣蔵 花の巻・雪の巻」やテレビ時代劇の「大忠臣蔵」で、
熊猫屋的Best of吉良の一人の八代目市川中車さん(月形さんとこの方の吉良が一番好き!。そして中車といえば今でも私はこの八代目しか浮かばないくらい中車さんの吉良好き)。
「大忠臣蔵」で中車さんが急逝され、小太夫さんが後を引き継いで代役をしたのは有名な話。

本作での仁右ヱ門、男前♪

侍から話を聞いた加賀鳶の滝五郎と仁右ヱ門の率いるろ組が喧嘩しそうな事態になったが、
河内山の仲裁によってひとまずはおさまった模様。

侍こと古市弥十郎(山茶花さん)は、見苦しいにも程がある!と伊集院帯刀(月形さん)から叱責をW

現場で三次は大切な印篭を無くすが、金目のものと拾ったやつなんか?賭場で金に変えてもらい、
印篭が河内山の手に。

三次は大工修行をしていたが、正式にろ組へ。
一方、呉服問屋のところに滝五郎が古市の使いで来て、お嬢様を嫁にしたいと申し入れてきた(ええー!)

やっぱり笑わせポイントには堺俊二さんはかかせないな(笑)
今回もうだつの上がらなそうな下っ端鳶役で、新入りの三次に上から目線でご指導(すべってるけどw)

腐れ茶坊主の河内山。
あの印篭が伊集院帯刀に関係のあるもので、茶屋の小せんという女との間に生まれた子に与えられたものという情報を直次郎が仕入れてきた。
で、直次郎がその行き別れの子に扮して帯刀に面会(ひでぇ)。
仕官するので100両欲しいと河内山が言うが、しかし、息子がニセモノとすぐ喝破する帯刀。
年齢もつりあわないし、伊集院帯刀が言う手に目印の痣もないからだ。
印篭代?として100両はもらえたが、完全に河内山の負けであった。

火事場(何と呉服屋んとこだわ)の現場でろ組と加賀鳶が争っていると、纏をかかげた藤吉が危ない!
足場が悪いから降りれ!と仁右ヱ門が言うが聞かない。
三次が助けに行くが、藤吉は重症、加賀鳶が一番纏を勝ち取ってしまった。
後に藤吉は死亡。
おまけに加賀鳶に纏をぶんどられて晒されてしまい、恥をかかされてしまう。

ろ組が纏を取り返そうといきりたつが、三次が元はと言えば自分が侍とやりあったせいと、
自分一人で行くと申し出る。
加賀鳶に行くと、お前の命と引き換えに返してやると、相変わらず下衆な古市。
そこへ帯刀が現れ、もろ肌脱ぎの三次の腕を見ると・・・・痣が(息子っっ!!)
三次の野狐の刺青は、捨てられた時の産着の模様。
親にあうことがあったら、恨み節の一つも言ってやろうと思っていたのだ。

帯刀は父の名乗りを上げずに印篭と纏を三次に返してあげた。
帯刀に礼を言って去る三次。
無事に帰ったが、今度は頭が倒れた。

頭の代理で帯刀から呼び出されたお駒。
三次が自分の息子であることを告白し、後継ぎがいない帯刀は三次を返してもらえぬだろうかと言う。
しかし、頭も倒れ三次を頼っている部分があるため(そしてお駒自身が三次を・・・)お駒は断る。
何といつのまにやら三次の耳にも入っていて今更ろ組を捨てては行けないと、三次から断られ済みであった。
それを承知で、帰ってきたとき継母がいてはと独身を貫いてきた帯刀は、
お駒に一年、ひと月でもよいから、父親として一緒に暮らしてみたいと願う帯刀の願いを、
お駒は断ることができなかった。

以来、お駒が三次に厳しく当たる。
それは芝居であった。
帯刀のところに三次をやるために・・・・お駒に拒まれ、三次は帯刀の元に行った。

お世話役の半兵ヱの下で侍としての所作や教養などを教え込まれる三次だったが、
どうにも慣れない。
半鐘が鳴り、火事だとたまらず飛び出した半次。
そこにろ組の姿はなく(負けた・泣)、加賀鳶がいたがろ組からの離反者がいて三次と喧嘩になる。
しかも加賀鳶(庶民)相手に刀を抜いてしまい、半兵ヱに牢につっこまれる。

一方、呉服問屋のお嬢さんは、あんな人(古市)と結ばれるくらいなら死んだ方がマシとでもいわんばかりの勢い。
しかも、今や侍の三次・・・・古市とは敵対勢力の男に恋している。
そのことを知った古市。
三次を亡きものにしようと画策する。

半兵ヱが、殿(帯刀)から迎えの駕篭がきましたよと牢を開けるが、
俺は一生ここからでねぇぞとダダをこねる(子供っぽくてかわえぇ♪)
何とか言い含めて三次を駕篭にのせるが・・・・・

その駕篭はニセの駕篭。
仁右ヱ門が三次に会いたいという願いを叶えるために伊集院邸に行った紋太は、
これはヤバいとろ組に立ち返る。
古市の手下に囲まれた三次。しかも持たされた刀は竹光だ(ひぃぃぃ~!)
万事休す!なところ、お駒と紋太が駆け付け本物の刀を!!
(囲まれているの話しこむ(笑))

ここからは錦之助さんの殺陣の見せ場ですよー!!
あ・・・・古市が。

加賀鳶から弔い合戦だ!と果し状がろ組に。
それを知った三次はろ組の人間として加勢!

喧嘩きたー!(・▽・)

と思ったら、半鐘が鳴ってる!!!!火事だ!!!



今度は火事場で勝負だ!!

一番纏をかけて三次と滝五郎が纏を回す(絵面見るに、最初の火事場現場と同じセットじゃね?)
今度は滝五郎の足場が崩れた!
すると三次がかけよって助ける。
そして、三次はろ組と加賀鳶の両方の纏をかかげた!!

素直に負けを認める滝五郎。
滝五郎はどうやら古市の悪行をちゃんと知らされてなかったようで、
帯刀から聞いて事実を知ったのだ(なんだ、根っからの悪い人じゃなかったんか!)


帯刀「お前にはほとほと手を焼いた。本日より勘当を言い渡す」
(いよっ!お父ちゃん!)


晴れて三次はろ組に、そしてお駒と結ばれたのでした。

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単純明快で、とても気持ちよくスカッ!とするお話でした。
何より、キャストが適材適所でみんな良いです。
はずれキャストがいないんだよこの映画。

錦之助さんならではの気風の良い三次はもちろんのこと、
快活ながらも可愛らしいお駒のひづるさんも素敵だし、
堺俊二さんの、厳しい局面でもホッとするボケっぷりも愛しいし、
月形さんの威厳と優しさを兼ね備えた帯刀も貫録たっぷり、
ただの心の狭い奴ではなかった滝五郎も原さんなら納得、
香川さんの河内山も胡散臭さたっぷり(笑)、
山茶花さんの古市はほんとに心の狭い男でござった。

こういうゆる~く見つつも、スッキリする楽しい映画っていいよねぇ(´▽`*)
結末も既定路線だけど、幸せエンドでほんっと安心して見られるし、
今夜はいい夢みられそうです(笑)。
錦之助さんの駆け出しの頃のらぶり~♪さと活きの良さを堪能できる、
楽しい時代劇としてオススメの一本です^^
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テーマ:時代劇映画
ジャンル:映画
 映画「風雲将棋谷」(1955年・東映)
2014年06月23日 (月) | 編集 |
たまっている東映時代劇を追って鑑賞中^^;
今度は右太衛門御大主演の作品です。

(あらすじ)※東映chより
平家の末裔が守る信濃の秘境の財宝を巡り、侠盗流れ星がさそり使いの怪盗一味と戦う。
角田喜久雄の同名伝奇時代劇小説を映画化。
さそりを使って娘を浚うさそり道人唐島宙斉と、悪党の財宝だけを盗む侠盗流れ星が江戸に出没。
北奉行配下の老岡引・仁吉と娘・お絹は宙斎一味を追っていたが、
たびたび危ないところを雨太郎という男に救われる。
やがて、お絹は一冊の旅日記から信濃の将棋谷に莫大な財宝があり、当主の雪太郎は三歳で姿を消したことを知る。

市川右太衛門(流れ星の雨太郎)
喜多川千鶴(お絹)←仁吉の娘
吉井待子(お加代)←大奥の人らしーんだけどワル
長谷川裕見子(朱実)←宙斉が探している娘
薄田研二(唐島宙斉)←蠍遣いの娘浚い犯
横山エンタツ(紋平)※吉本所属←雨太郎の仲間
小杉勇(佛の仁吉)←目明し・蠍の一味を追っている
原健策(神田川の兼三)←目明し・雨太郎を追っている
山口勇(りゃんこの藤造)←イカサマ師
富田仲次郎(竜王太郎)←朱実の配下の男
三島雅夫(佛骨和尚) ←雨太郎の知りあい



(感想等)
監督は松田定次さんです。
雨太郎は義賊で、
たまたま通りがかりにりゃんこの藤造に手篭めにされそうになった目明しの仁吉の娘・お絹を助けたことで、
本来は繋がりのなかった宙斉とその一味と雨太郎は関わらざる事態になっていきます。

伝説の将棋指しが残した記録帳から浮かび上がる将棋谷。
そこに書かれた風景は、雨太郎がたびたび見た夢の風景と似ておりました。
二つに引き裂かれた記録帳。
後半部分を持ち去った朱実こそが、伝説の将棋谷から三歳の時に姿を消した娘で、
唐島宙斉一味が娘を浚ったのは、朱実を探して娘をかたっぱしから・・・ということらしい。
その将棋谷にはお宝が眠っているという。
そして、朱実とともに一方の鍵を握るらしい雪太郎とは・・・・?


まぁ・・・・・物語の三分の一くらいのところで雪太郎は誰か、
朱実が口に出した特徴でまるわかりなんですけどねw

ところで最後まで見て思ったのが、朱実はやっぱり・・・・ダメだったの?
だとしたら太郎と共に、元々里(将棋谷)の人なのに、帰れず可哀想というか・・・・。
雨太郎と里との橋渡しとしてだけの役割だったのだろうか。
途中、お父っつぁんを雨太郎に殺されたとばかり思い込んでいたお絹を叱りつけたり、
毅然としたお嬢さんって感じだったから、結末が・・・せめてこの人は残して欲しかったわぁ。

雨太郎の側にいる紋平役のエンタツさんの飄々とした感じと、
佛骨和尚役の三島さんの豪快さも素敵だったのですが、

いやいやいや、本作最後の最後で実は熊猫屋的にもってかれたのが
神田川の兼三役の原健策さん!!
ちょっとちょっと、今回はとても粋な男ではないですか原さんの役。
東映黄金期時代劇における原健策さんは、悪役寄りの方で、
いい人役はたま~~~~に出てくるんですけど、これまた久しぶりに見たわ。
目明しとしての職務に忠実なのだけど情も篤い男で、とてもかっこいい。
父親を殺されたお絹の、後半は見守り役というか
仁吉に代わってお絹のことをとても心配してましたなぁ(父親のように)
そして最後、お縄を・・・・という雨太郎に、
兼三「雨太郎とかどうのとかいいなすったが、その男ならつい先ほど不動の滝の滝つぼに落ち込んで、
このよから消えちまったよ!」
と言い放ち、
後の始末や一家のことは自分が引き受けるからと、雨太郎・・・もとい雪太郎と相愛のお絹の背中を押してあげるのね。

はぁ~男前っ!!

主役は右太衛門御大なんだけど、キリッとしたかっちょよさは本作は原さんだわーと、
熊猫屋は惚れ惚れしたのでした(笑)。
悪役メインの方がたまにいい人役やると、凄く格好良いことって結構ありますよね^^


宙斉役の薄田さんは、不気味に出現する悪玉をこれまたいつものように気持ちよく演じておられましたわ。
お絹のおとっつぁんを殺すわ、蠍で娘を浚うわ、お宝のためなら何でもござれ。
あれ・・・・そういえば最初の上州屋のお嬢さんはどうなったんだ?(描かれてないよね?)

雨太郎が、最初は拒んだのに結局将棋谷を背負うことを決めたのは、
ちょっぴり朱実への贖罪の気持ちもあったのだろうか?
宙斉が扉をバーン!とあけたら、宝の箱の山の上にデーン!と着替えて仁王立ちの御大にワラタ(笑)
そもそも将棋谷のことあんま知らんのに、その装束はなんぞ^^;
御大はいつもの御大で、快活な人物を演じてましたが、
自分の出生の件に関してちょいともやっとしてたり、お絹の事好きなんだけど、
自分は義賊だし彼女は目明しの娘だし・・・・で悩んだり、
万能人物じゃないのをやってたのはよかったですよ。

それでも前述の原さんと、ブレないお嬢さんの朱実を演じていた長谷川裕見子さんあたりが、
個人的には一番かっちょよいなーと感じたのですけどね。


テーマ:時代劇映画
ジャンル:映画
 映画「白扇みだれ黒髪」(1956年・東映)
2014年06月22日 (日) | 編集 |
(あらすじ)※東映chより
御家人・田宮伊右衛門は妻・以和の妹・以志と密通を繰り返している。
伊右衛門と以志の密会を知った歌舞伎作家の鶴屋南北は二人に興味を惹かれる。
以志に恋慕する安川大次郎は伊右衛門の存在を知り激怒、決斗を申し込むが、護持院ヶ原で伊右衛門の刃に倒れる。
地獄の底まで一緒にと決意する二人は数日後、隅田川で心中し、以和は狂乱し、凄惨な形相になって川に身を投げた。
そして南北は「東海道四谷怪談」を書き上げる。
原作は邦枝完二の新聞連載小説。

(感想等)
東映chで録画しておいたのを今頃鑑賞^^;
監督の河野寿一氏は映画は大友さんの「快傑黒頭巾」東千代之介さん版「雪之丞変化」「紅だすき喧嘩状」
錦之助さんの「風雲児 織田信長」や「独眼竜政宗」
橋蔵さんの「花吹雪鉄火纏」「花の折鶴笠」などの東映作品を数多く監督され、
熊猫屋も好きな作品が多い監督さんです。
(一つだけ、熊猫屋私的現段階で東映時代劇ワーストの「怪談番町皿屋敷」もあるけどな(笑)。
あれは色々ありそうだから監督のせいとも思えないのだけど^^;)

テレビ時代劇も人気作ありまくりで「新撰組血風録(栗塚さん版)」「用心棒シリーズ」「燃えよ剣(栗塚さん版)」「達磨大助事件帳」「暴れん坊将軍(第1シリーズ)」「運命峠」などなどなど・・・・
時代劇好きなら「ぐはっ!これは見てる!!」というのが必ずありそう。
そんな河野監督作品です。

本作に鶴屋南北の役で出演の坂東蓑助さんは、時系列的に何代目かな?と調べたら六代目の坂東蓑助で、
後の八代目坂東三津五郎(現・十代目三津五郎の祖父)のようです。

「東海道四谷怪談」を鶴屋南北が書くまで的なお話。

劇中に出てくる、ああいう化け者侍(千代之介さん演じる田宮伊右衛門のこと)を書いてもらいてぇなと言ってる役者は三代目・尾上菊五郎(小柴幹治さん)。
実際に三代目菊五郎は1825年に「東海道四谷怪談」の初演で演じており、当たり役だったそうで。
三代目菊五郎といえば、一旦人気絶頂時に引退した後の晩年に大川橋蔵の名で舞台に立ってますが、
私が好きな橋蔵さんは二代目でして、この三代目菊五郎が初代の大川橋蔵でもあります。

それにしても千代之介さん、こういうカゲのある悪役が似合いますなぁ。
宅悦(東野英治郎さん)が(辻斬りは誰かしらないけど)「外道」っていったまんまの伊右衛門で、
顔の表情を変えないまま、きんちゃっきりのちんば徳(原健策さん)がスッた財布を脅して奪い、
財布の持ち主に俺は旗本だと暗にふっかけて金子(しかも大金)をせしめ、
これまた無表情で辻斬りして財布を奪って、亡骸を川に蹴り落とす。
御禁制の品を沢山扱っている堺屋を脅し、観音像を50両で引きとれという。
これを外道と言わずしてなんとしよう。

伊右衛門は妻の以和(長谷川裕見子さん)の妹で奥女中をしている以志(田代百合子さん)のことが好きで、
彼女が屋敷で肩身が広くなるように、先の辻斬りや堺屋の件でせしめた金子で芝居の席を用立ててやるのですな。
それで以志は宿下がり等も比較的自由の身となり、
安川大次郎(伊藤久哉さん)との縁談も断り、
実は相愛(!!)の伊右衛門と逢引を・・・・。

ちんば徳らの謀で、いつまでも返事をもらえないことに業を煮やした安川と対面させられた以志は
伊右衛門との関係を指摘されて逃げ、
南北の保護されます。
そこで以志が挿していた簪が元で、元は清廉潔白な人物だった伊右衛門の人格が落ちていったいきさつを
宅悦を通じて知る南北。
そして、以志の口からも伊右衛門との事も知り・・・・

南北「つまり、ある一人の化け物侍がいたんだ。
ところが、そいつをとことん突き詰めてみるとな、汚い灰汁の中にぽっかりと咲いた綺麗な蓮の花があったんだ。」


↑蓮の花が純愛を意味するにしても、あそこまでやっちゃっていいのかしら?^^;

南北の屋敷の2階に潜む伊右衛門と以志。
ふとしたことで南北の姪の艶吉(吉井待子さん)の許婚の父が千草屋で、その人こそ伊右衛門が辻斬りした人物と伊右衛門は知る(恩を仇で返してるようなもんですのぅ)。

以和が南北の屋敷に来た。
ちんば徳からあらぬことを耳に入れられた以和だけど、
南北に迷惑をかけた詫びをいい、以和を連れ帰ることに(ちともめたけど)
そこへちんば徳を通じて伊右衛門に書状が。
それは安川からの決闘状だった。

自分の身に何かあった場合の以和と以志を南北に託して去る伊右衛門。
以和の留守中に宅悦が血相を抱えてやってきて、
安川と伊右衛門の決闘を知る以志。
以志は伊右衛門の元へと駆けだした。

以志が見守る中、形勢不利かと思われた伊右衛門がぎりぎりのところで安川を斬った。

南北邸。
以和と南北が対面して話している。
安川の亡きがらは身内が引きとったようだが、その時に既に伊右衛門と以志の姿はなかったという。
まだ二人のことを知らぬ以和。苦渋の表情の南北。

追われる伊右衛門と以志が夜に南北に別れの挨拶にきた。
心ばかりと白い扇子に蓮の花を描いて渡す南北。
そして、宅悦から二人の仲のことを聞いてもなお信じることができぬ以和。
心は千路に乱れる。
乱れるまま、南北に問う以和。
南北はそんなことはあろうはずはないと言うが、その目は泳いでいた。
倒れる以和。

そして・・・・二人の心中の遺体があがり、
南北が確認する中、ふらふらの以和が近づき・・・川に落ちた。
引き上げられるも、以和も息を引きとった。

「これだ・・・・・・・・・これだ!!」と叫び家路に急ぐ南北。
(ある種作家故の業か^^;)
かくして鶴屋南北作による芝居「東海道四谷怪談」が文政八年にかけられたのだった。

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いくら伊右衛門が以和と夫婦になる前から知らず相愛だったとして、
結構伊右衛門より以志が怖いなぁと思った熊猫屋です。
伊右衛門の脱線ぶり(好きな女の為に人殺しや金子脅しとりなど)も狂ってますが、
そんな伊右衛門の狂いっぷりをうすうす知りつつも私のためにと想ってそーな以志がねぇ・・・
しかも既に姉の夫なのに。
(以和が身の置き所がないくらいメンタルめちゃくちゃになる事案で酷い)。

南北センセーは一部の天才作家にありそな内に秘めたエキセントリックさが出ていてよかったわー(笑)。
一見人格者っぽく見せて、後半になるにつれてちょっとずつその面が顔を覗かせていて。

綺麗な蓮の花は結局は伊右衛門でも以志でもなかったのだな。
東千代之介さん出演作品の中でも割と上位の出来でないかと思う本作。
脇では東野さんや原さんあたりが一見雑魚っぽくも要所で出没してぼそりと発言、
そして物語が方向転換していく様が地味ながらもいい。
主役は伊右衛門なのだろうけれども、ほぼ同格で南北センセーも。
この二人を軸に、あまりにも幸薄い以和の悲劇が一番悲しい物語でありました。
(四谷怪談ができるきっかけの事件に南北がからむような話なので、別に以和が四谷怪談の岩のようにはならないので、
怪談ではございません)。
テーマ:時代劇映画
ジャンル:映画
 映画「浪人街」(1957年・松竹・近衛十四郎版)
2014年06月15日 (日) | 編集 |
DVDをずっと放置しっぱなしだったのですが^^;
本日鑑賞。

この映画、ほんとにも~どうにもこうにも阿呆な男どもがこうも出るのかと、
見ながら途中までは苦笑しっぱなしでした(笑)。

近衛十四郎さん演じる荒牧源内なんざ、きんちゃっきりのお新(水原真知子さん)のヒモ状態で、
お金が無くなったら帰ってくる。
で、普段は湯女の小芳(高峰三枝子さん)のところでだれ~んとしていて、
お新がちょっと小声でカタギになりたいなんて言おうものなら、
それで俺を養っていけるのか?とぬかしやがる源内。
おいおいおいそっちの心配かよ!!!と、
ほんとにね、ど~しようもないやつなんですよ。
途中まではお新さん可哀想(T▽T)と泣けてくる。

河津清三郎さん演じる赤牛弥五右門は、金の臭いのするところ、酒の呑める臭いのするところ、
かまわず出没。
そのためならば、普段は目の敵にもしている旗本にも尻尾を振る始末。
こちらもど~しようもない男。

また北上弥太朗さん演じる土居孫八郎は仕官先が決まったはいいが、
殿さまから拝領した太刀を質に入れちゃっていたもんだから、
あれが無いとヤバい。
それで自暴自棄になるんだが、その意味でこいつもど~しようもない男。
逆に妹のおぶん(山鳩くるみさん)が心配して行動するのだけど、それで彼女が危ない目に(・・・・)。


旗本連中については最初から最後までど~しようもない雑魚ばっかなので割愛(笑)

格好良い男なんざこの映画で殆どでないよ!!(爆)
唯一まともそうなのは、お新とは昔・・・好きあっていたのかな?
ちょっと硬派な藤田進さん演じる母衣権兵衛くらいだわ。

でも、そこがいい。

そんなど~しようもない連中・・・・
特に荒牧と赤牛なんだが、結局女(お新)の為に立ちあがるんだよね。
阿呆なんだけど、憎みきれない連中なんだ(TωT)

荒牧なんて、お新さんが旗本連中に捕まって車裂きにさせられそうになっていることをおぶんから聞いた当初は、
自分が旗本の最終目標だって知ったもんだから、
一度は行かないような行動をとっちゃうくらい阿呆なんだけど、
やっぱりお新のことはあんなヒモ状態でも想ってる荒牧。
めっちゃ沢山の敵相手に一人でつっこんでいくのですな
近衛十四郎さんの立ち回りたっぷり見ることができて幸せ~♪

反則技くらいに泣かせてくれるのが赤牛。
旗本側について、けしかけていたのですが、最終的には荒牧側について、
荒牧とお新・そして母衣を行かせて一人で立ち向かうのですよ!!!
そんな場面になっても、荒牧たちに一升の酒な!!!と指たてて笑って約束させて、
刀を抜くの。
ずっと陽性キャラクターだった赤牛が、旗本を斬りつけることに成功するのだけれども、
同時に彼も・・・・・・
その時の表情にほんと泣かされる。

母衣は、亡き赤牛を・・・・彼が大好きだった酒を捧げて弔い、
そして、お世話になった居酒屋のおやじに礼を言い、
一人捕方につっこんでいく・・・・・(荒牧とお新は既に逃がしてると思われ)

荒牧と母衣と赤牛は、ただ一人の女の為に立ちあがったのね。

お新さん、ほんと途中まで可哀想すぎる!!荒牧ひでぇ!とまで見てたのですが、
こんなに惚れられてるてお新さん凄い。

近衛十四郎さん・・・・今まで東映時代劇等ではどっちかというと色気よりも、
温かみのあるキャラでええなぁ^^って感じだったのですが、
この映画ではも・・・・そこはかとない男の色気が素敵ですぅ♪(//▽//)惚れ
何気ない目線とか、くぅかっちょええ!浮名を流すのも説得力ありますぞ(笑)。

最終的に美味しいとこかっさらったのは、
河津さんと藤田さんだと思うのですが(近衛十四郎さんの荒牧は終盤フェードアウトしてますんで)
人間的かっちょ良さの無い男達の、きっかけは女だがその生きざまを描いた、
とっても素敵な映画だと熊猫屋は感じました。
ラストにかけての見ごたえはたっぷり!!
(女性陣の華としての役割もたっぷりですが、高峰さんの粋な雰囲気が特に素敵)
DVD廉価版で出ているので、オススメでござりまするよ。


あの頃映画 浪人街 [DVD]
テーマ:時代劇映画
ジャンル:映画

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