映画「華岡清洲の妻」(1967年・大映)
2014年10月13日 (月) | 編集 |
(あらすじ)※時専より
医学を学ぶ華岡雲平(市川雷蔵)と結婚した加恵(若尾文子)は、夫不在の華岡家で3年間を過ごした。
そして修業を終えた雲平が戻ったが、姑の於継(高峰秀子)は雲平の世話を焼き、加恵には冷たく当たるようになった。
雲平は名を青洲と改め、麻酔薬の開発に没頭するようになり、動物実験を繰り返すようになる。
やがて於継は自らの体を実験に使うように言い、加恵もまた同じことを青洲に言うが……。

(感想等)
時代劇専門chの雷蔵さん枠で放送されたものを見ました。
好きな増村保造監督と聞いてっっ!
(増村監督といえば文たんですし)。

高峰秀子さんと若尾文子さんの間が実際は9歳しか離れてないのに、
姑と嫁の関係を演じてまする^^;

放浪医者の於継の夫は、加恵の祖父にちょくちょく会いにきては与太話をする仲でした。
その祖父が亡くなって3年後、於継がやってきて加恵を嫁に欲しいと言いだします。

「大きな家に嫁いで事なき生涯を送るか、貧しき家を興して城を築くか、
そのいずれを選ばれるか考えていただかしてと、私が申してたとお伝えなして」
(加恵の家の方が身分上なのに結構大胆な於継さん)

子供の頃から、加恵にとってできた女性に見えていた於継に近付きたいと思っていたところ、
願っても無いことで、父の反対もあったが嫁ぐことに。
(冒頭からの場面で、於継の夫を見た時のポカン顔とか、於継が祖父の葬儀にきた時のポカン顔といい、
加恵が於継に興味が深かったとこを台詞無しで印象付ける描写が。
最初は加恵の乳母がどんなに於継が素晴らしい女性かってーのをインプットしたせいにも見えるけどw)

夫となる雲平が修行中で婚儀に出られないからって、嫁の隣に本草綱目て!!

加恵はこの頃は雲平と結婚したというより、於継に憧れているという雰囲気が強く出ていて、
彼女に物事を尋ねたり、教えを請うたりしてるし、
於継もまた、良い嫁に来てもらったと思っているようす。

雲平@雷蔵さんが帰ってきました。
(うほ~雷蔵さん、白塗りメイクん時と全く違うんで誰かと思いましたわ。)
しかし、医学の話に夢中で加恵は紹介されたけど距離が・・・・・
華佗(後漢末の医者)のように麻酔使って~♪とか熱心に話す雲平に
父「何せあの国の文章は大げさやさかい」(確かにw「三国志」華佗伝などに記述ある)。

しかし、加恵も雲平のために織物織っていたのに、
まるでいないかのように話す於継が怖い。何があった。
しかも、帰ってきたというのに雲平と加恵を別々に一人で寝るようにさせるし。
かと思えば翌日は雲平の元に行くようにとか。
↑この時点で私、実は夫と加恵がうまくいくように於継がワザとしたんじゃないかと思ったんだけど。
あと医者の嫁として強くなるようにとか・・・・・
どうかな?

あ~
あ~
猫好きにはちとツライ描写ありで注意(麻酔実験かしらT_T)。

子を産むため、於継によって実家に帰らされた加恵。
この場面の加恵・・・・というか文たん鬼気迫るなぁ。
雲平がいないときに結婚したのは機織りをさせるため、
家に返したのは食いぶちを減らすためとか於継に対して辛辣。
子を産むのもなんか於継に対する対抗意識みたいで・・・・・・。
(生まれた子は女の子でした)。

乳がんになった於継の娘(ということは雲平の兄弟か)。
まだ麻酔は研究途上、使う薬もなく手立てがなくて於継も雲平も苦慮するなか亡くなってしまう。
だからって、近所がお勝が死んだのは猫を沢山殺した祟りだという噂に、
於継「加恵さんをすり抜けてお勝を祟るという方はないやろ!」
というのは無いわ~無いわ~
ええ!?ほんとに鬼姑なのっ!?

それから7年・・・・・やっと猫による麻酔の成功を見るも、未だ人間には・・・・。
そしたら於継が自分を(実験に)使ってくれと言う始末(しかも加恵をチラッチラッと見ながら)。
すると加恵もいえ私はかねてより・・・とこれまた対抗意識を。
それにしてもここの嫁姑の応酬場面がすごい^^;

雲平「ワシの薬を飲んだら死ぬとでも思っているのか!ワシは人殺しの薬を作ってるのやないっ!」(あ・・・切れた)

でも、母つえぇな!それだけの自信があるなら何をためらうことがあるのよし!私を使うよしっ!と
目ぇひんむいて言うんだもんな。
思わず首を垂れた嫁とは年期が違う。

そしてついに・・・・
於継が先に麻酔薬を試すことに。
すご・・・・一気に飲んでしもた。
そして遺言じみたことを言う於継。
世継ぎがいないのは心苦しいから帰ってくる雲平のずっと下の弟になるのかな?
養子にするようにと。
快諾する雲平。

ところが、実際は雲平はマンダラゲの花を焼酎にちょいと薄めて入れただけで、
実験にはしてなかったのか^^;
それを於継は成功したと思いこみ、
誰にも言わないのを破って実験が成功したと振れ回ってしまっている。
話しをききつけて患者がきたらまずい。雲平危うし。

すると加恵が、今度こそ自分を・・・・と雲平に願い出る。
「やってくれるか」(ええっ!今度は本気!?)

入念に・・・・暴れても大丈夫なように自分の足を縛る加恵。
薬を飲むと・・・・於継の時と違ってすぐ反応がきた。
こんこんと眠り続ける加恵。内股をひねっても起きない。
三日も・・・
わざわざ出向いてまでもろてきた嫁、もしものことがあったら・・・・という於継の本音?
しかし、加恵が目をさまし雲平に(三日三晩飲まず食わずなんで)二人分の粥をと言われて粥を作りだそうとする於継が、
嗚咽をこぼすのは・・・・・何かやっぱり含むところありそうだなぁ。
その直後の場面で弟子たちが奥様も若奥様も医者の嫁の鏡と褒めそやす場面見ると、対比でつい。

半月たってもまだ身体だるい加恵を見て、今度こそ私でと迫る於継。
で・・・・やるんだけど、また薄いのでやったんかな?すぐ目ぇ覚ます。

そんな中、雲平と加恵の娘が風邪で死亡。
お勝を亡くした時のことを於継も思い出し、加恵と二人で泣く(思いがけずこれで距離縮まった?)
加恵のたっての願いで再び実験。
目を覚ますも目が・・・・・・・
於継はここで自分への薬はただの眠り薬であったことを知らされ愕然とする。

於継の死に際。
加恵がつわりで思わず於継の手を話してしまったことに
「私のことがよっぽど憎かったんかの」と・・・・。

1年後、無事男の子誕生。
おりくさんの声がおかしいことに加恵は気づく。
できものができていた。

おりく「そう思うのは姉さんが勝ったからやわ」
(うわ~怖いっっっ!!おりくは長年於継と加恵のことを見てきた人間)
おりくがグイグイと真理をついてくるのが怖いぃぃぃぃ(T▽T)

ついに、患者たっての願いで乳がんの手術が行われ、成功。
そして加恵も三度目の出産が無事に終わった。
加恵に報告した雲平。ねぎらうと

加恵「皆死なれたお義母はんのおかげございますよし。
お義母はんがいなさらなんだら、今の私はありませんよって」

新しく大きな診療所ができた。
しかし、加恵は巷で夫を助けて盲目になった妻という美談を嫌い、
ますます表に出てこなくなった。
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最初はね、於継が加恵に冷たくするのはある意味優しさだと思ったんだけど、
それもちっとはあったかもしれないけど、それだけじゃないよなぁ・・・・と於継の仕打ちを見るにつけ思ってたら、
おりくが真理を突いてきてグサグサきましたわ。

また、雲平もズルイよねぇ。
二人のこと気づいていて利用したとしか思えん^^;;

「清作の妻」の時もモノクロゆえに研ぎ澄まされたような増村監督の愛憎劇の映しようにゾクゾクしましたが、
本作も姑と嫁の間にピーンと張った緊迫感にうちふるえましたわ。
高峰さんも文たんも雷蔵さんも素晴らしかった。
高峰さんなんて当時まだ30代前半なのに、お義母さんになりきってたし(母でもあり女でもある雰囲気が出てた)
文たんも、ちょっとおぼこい時代のお嬢さんから、医者の嫁として(主に於継に・・・かな)もまれていくうちに、
気づくと於継のような女に達観していった様がじわじわ出てきてたし、
雷蔵さんも、一見飄々としているようで二人の女を見ていてしかも見てないようなそぶりをして二人を利用する様がなんとも。
役者さん皆が印象に残るような作品でした。

ただ、猫好きはキツい場面があるので、要注意です^^;
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テーマ:時代劇映画
ジャンル:映画
 映画「秦・始皇帝」(1962年・大映)
2014年10月05日 (日) | 編集 |
一般的時代劇ではないのですが、
大映で作られたスペクタクル時代巨編なので(笑)。
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中国語圏映画オタク(主に香港と一部台湾)でもあるので、この映画の協力に台湾の中央電影公司の名が入っているのを目ざとく見つけた熊猫屋。
台湾映画の歴史をしょった映画会社ではないですか。
略称「中影」。1954年設立で、230あまりの映画を製作。台湾ニューシネマを担っておりました。
李安(アン・リー)、蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)、楊德昌(エドワード・ヤン)などの著名監督の映画もここから(2005年に製作等は停止してしまいました)。
私が大好きな陳玉勲(チェン・ユーシュン)監督(作品「熱帯魚」など)の映画もここだったなぁ。

この映画、中影だけでなく台湾の陸軍も協力してるとは(人海戦術な意味で)スケールでかいですね。
中影が日本映画に協力してるのは他にもあるらしく、
裕次郎さん主演の「金門島にかける橋」もそうみたい。

台湾全面協力ついでに、この映画に出演している台湾俳優さんについても調べてみたよ。
(でも、侍女役とか宦官とかちょい役なようで^^;)
★唐宝(寶)雲(女優)は1962~83年にかけて台湾の映画で活躍した人で、
「台風」という映画で台湾の<金馬賞>で最優秀助演女優賞を獲得してるみたいですね。
この「秦・始皇帝」もその年に参加して作品ではないですか@62年
出演映画一覧見たけど、古い台湾映画はあんまし見てないんで分からない^^;
あ!でも1本だけ「飄香剣雨」という武侠映画・・・・手持ちの古龍原作映画のDVDーBOX(台湾製)にあったはず。
今度ちゃんと見てみよう。
★及福生氏は・・・・中国語wikiでも映画に出ているのはチラチラッと見つかるのですが、
個人の項目が他のサイトでも無い^^;
★林璣(女優)も検索にちと手間取ったけど香港の映画資料サイトで何とか発見。
1960年代から70年代にかけて活動した女優さんのようです。
台湾が殆どだけど香港映画にもちらっと出てるみたいだなぁ。孟飛主演の「小老虎」(1973年・香港)見たい。
あと1969年の武侠映画かな?「血滴子」という映画に主演してるよーで(主演は少ない)。
それにしても顔が濃いんで一発で覚えられそう(笑)。
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時代は中国史では「秦」が統一するちょい前の戦国時代(秦・楚・斉・燕・趙・魏・韓の七カ国による群雄割拠)。
後の始皇帝となる秦王・政に勝新太郎さん
統一するまではあっちゅーまの時間で終了。

すぐ統一後からの展開になるのですが、
あ・・・・・・れ・・・・・・????
燕(えん)の太子丹(宇津井健さん)って統一前に死んでなかったっけ?何で秦王が謁見する六国の中にいるの?
まさか「刺客列伝」な話が統一後に来るんぢゃないか・・・・という予感がここで。
(というかこの時点で、この映画は史実との時系列を同じにしちゃいけない確信が(笑))
政に対して敵意いっぱいです。

一介の豪商から秦の宰相までのしあがった呂不韋(河津清三郎さん)が政の本当の父説を取り上げているのもこの映画なんですが
近年はどうなのかなぁ?そうではない説の方が有力な気もする。
しかし、エンタメ性としては政にトラウマを植え付け、呂不韋を遠ざけるというこっちの方がドラマティックだろうからね!(笑)

雷蔵さんが荊軻なんだ!
やっぱり「刺客列伝」な話が統一後か・・・・・(史実は統一前)。
(荊軻の話が「史記」の刺客列伝の項にあるのですよ。個人的には<ちくま学芸文庫>の史記の6巻目オススメ。刺客列伝って「史記」の列伝の中でも劇的で面白いですよん。)

セットとか服装とか、日本発のものにしては意外と頑張ってるところはさすが大映というか、
中国や香港映画でも時代の割に変な服装とか日常茶飯事なんで、
中影も入ってるのもあるのかもしれないけど、
こういうところでちゃんとしてるのは東映と違うな(笑)
でも、剣の扱いとか仕草とかがどうしても日本的になっちゃうところはご愛嬌ですね。

架空人物だが、荊軻の妻役の中村玉緒たんが別れの時キリリとしてカッコエエ(そして別れの後そっと泣くのだな)。

後の「漢」(前漢)の高祖・劉邦の軍師となる張良(根上淳さん)も登場
イベント盛りだくさん詰め込んでるなぁこの映画。
だから時系列とか無視してるのか?

史実では統一時点で既にして戦国七国の「韓」はとっくに滅びてるのだが、
(張良による博狼沙での始皇帝暗殺計画は、力持ちを雇ったが単独犯)
韓の軍師として登場。
燕の太子丹を筆頭として始皇帝に総攻撃をかけるのだな(色々メチャクチャだが、エンタメとして楽しむべし)。
しかし、ここんところの戦闘場面は、人海戦術映画(おいおい)としては映画「始皇帝暗殺」(陳凱歌チェン・カイコー監督。1998年)にも匹敵するスペクタクルだ(笑)。
始皇帝と太子丹の一騎打ち場面は見どころの一つ。

直後の朱貴児(山本富士子さん)と侍女の場面、明らかに口の動きとセリフが合ってない人がいるけど、
これが台湾の俳優さんか。
「皇帝陛下様は毎日こちらにいらっしゃるのと同じですわ」って言った人が唐宝雲だと思われ。
後に出てきたのが林璣か。
自国の映画に出ている時よりナチュラルメイクだ(笑)。

匈奴侵攻場面の凄惨な場面・・・・凄いな(TωT)
始皇帝が戻ってくると、朱貴児は亡くなっていた。
「人はなぜ死ぬ・・・・」この映画では彼女の死もまた始皇帝に影響を与えるのか?

匈奴対策に万里の長城の建設を始めるが、7年たっても終わらない。
使役に駆り出される人々も多く、不満がどんどん重なって行く。
儒者の干越(長谷川一夫さん)が始皇帝を前にして国策に異論を唱えるが、
宰相の李斯(春本富士夫さん)が逆に「焚書抗儒」を唱え、
始皇帝も自分に異を唱える者は敵と見なし(すげー悪役に書かれてるな)
干越や始皇帝に逆らうものはことごとく粛清された。

干越の弟子の万喜良(川口浩さん)は燃やされそうになった書物(時代無視して紙にしちゃう映画もたまにあるけど、ちゃんと竹簡だ)を持って逃れるが、その途中、仲間の芦生(川崎敬三さん)が殺された(一瞬^^;)

1時間50分過ぎてやっと若尾文子さま登場だわ@孟姜女
池に足滑らせて落ちたので、濡れた服を脱いだところ万喜良にその姿を見られ、
幼い頃より占い師に最初に肌をみられた男と結婚するということになっていて(なんぢゃそりゃ)
私と結婚すると災いがおこるという万喜良に、孟姜女の父は隠し持っていた書物を見せ、
あなたは婿になる運命だと。

婚姻の儀式のその日に捕らわれた万喜良。
孟姜女は涙にくれる。

お、その後に博浪沙での始皇帝暗殺未遂イベントあり
ほんと、映画の中にイベント盛りだくさんにしてるな!・笑

不老不死の薬を手に入れてやんよ♪と現れたるは方士の徐福(中村鴈治郎さん)は怪しさ満点。

地震がおきて、長城工事が円滑におこるように人柱をと提案され、万喜良が埋められた
・・・・という夢を見て夫が埋められたと悟った孟姜女。
それを確かめに長城に旅に出る。
そして、盗賊に襲われた彼女を助けたのが
李唐の息子で幼いころに想いやりのあった政を知っている李黒(本郷功次郎さん)であった。
今の皇帝の悪い噂を信じたくない李黒もまた、確かめに行こうとしていたのだ。

やはり万喜良は人柱になっていた。
孟姜女が泣き崩れると暗雲が立ち込め、嵐となり長城が崩れた(ファンタジーやな・笑)。
そして崩れた中から、白骨となった夫を見つけた孟姜女。
自らの血をそれにかけ、泣き崩れる彼女がシュールすぎる

捕えられ、火炙りの刑にさせられそうになる孟姜女。
始皇帝に非道を訴える孟姜女。
彼女が死をも恐れず説こうとも、聞き入れない始皇帝。
万事休すと思われたそのとき、彼女の助命を訴える李黒。
そして彼のことに気づく始皇帝。
女の孟姜女の覚悟の訴えよりも、ちょっと知ってる李黒の訴えであっさり始皇帝孟姜女を解放(笑)
その様子を喜ぶ民一同と、その様子に逆に驚く始皇帝


しかし、夫のいないこの世など・・・・と孟姜女自害
なんかすっかり文たん劇場になってるんですが・爆
自分は許したのになぜ自害したと憤慨する始皇帝。
変わってしまった皇帝に落胆する李黒。

時系列がめちゃくちゃなこの映画ですが、
ラストシーン、よもやの太子丹が出てくるとは!!!(色々場面場面で紛れてましたよね)。
黒い影が出てきたと思ったら、始皇帝をブスッと!!!!( ̄□ ̄;)!!!

このシーンの宇津井健さんの演技がすげぇ・・・・夢に出る・・・・凄い。

不老不死の薬を徐福に命じたばかりの始皇帝が満身創痍に。
しかも反乱をおさめるために、その身体で・・・
民の幸せを自ら築きあげるのだと出陣したのだった。

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映画ならではのファンタジー設定とはいえ、
始めは「イベントの羅列かよー」と思っていたのですが、
焚書抗儒あたりからファンタジー設定を生かしたオモシロ展開でしたわ。

ほんと亡霊かよ太子丹!(大笑)


結構この時代より後の70年代の香港映画とかドラマ見てるんだけど、
時代の作り方はよっぽどその頃のあっちより丁寧な気がしたわ。
すごいなーこれ1962年の日本映画なのか。
時系列がめちゃくちゃなんだけど、映画としてのドラマチック性を重視した意味では、
これはこれで良いと思いましたよ。
思いこみが強くなっていって、自分が神だとまで思ってしまった始皇帝と民衆の意識のギャップがどんどん激しくなり、
周りから言われても、自分が行ってきたことが間違ってないと、
まるで意識を自ら封じ込め、追いこむように・・・・いや追われるように邁進する姿のラストが痛々しかったですわ。
これ、スペクタクル映画の意味でも中国映画「始皇帝暗殺」も見ると面白いかもね。
 映画「綱渡り見世物侍」(1955年・大映)
2012年06月18日 (月) | 編集 |
(あらすじ)※時専より

浅草の阿蘭陀座で手裏剣投げの妙技を披露し、人気を博している力太郎(市川雷蔵)とお小夜(水原真知子)は相思相愛の間柄。
力太郎は、お小夜の父親が背負った借金を返済して、お小夜と晴れて祝言を挙げる日を楽しみにしていた。
ある日、力太郎は「若様」と老武士から声をかけられる。
老武士は奥州二本松藩の江戸家老・加島文太夫(坂本武)であった。
失踪中の嫡子・鉄之丞と瓜二つの容姿の力太郎は加島から礼金百両を提示され、身代わりとなるよう頼まれる。
百両あれば借金が完済できる。
力太郎は二本松城へ行く決心をした。
一方、本物の鉄之丞は江戸の一角に隠れ住んでいたが、陰謀派の襲撃を受けて川に転落。
行き着いた先はなんと阿蘭陀座であった。
お小夜は転落のはずみで頭を打ったのであろうと、別人だとは気付かなかった。
そして阿蘭陀座の次の巡業先は、力太郎のいる二本松城へと決まった。

(感想等)

時専の雷蔵さん枠で放送された本作を録画してあったので見ました。
(雷蔵さんの映画はも~どんどこ溜まってるのですが^^;)

雷蔵さんが、若さまと旅芸人の力太郎との二役を演じています。
デビューの翌年なのでまだ初々しいです^^
ですが、上品な若さまと気風の良いてやんでぃな旅芸人との演じ分けが上手で、
雷蔵さんてやっぱり二の線も三の線もうまいですのぅ。
顔は同じなんだけど同一人物には見えないんですよ。
それだけ演じ分けができてる。

特に食事シーンとか(若さま用のお膳と、くさやのご飯)
それぞれのいい人に迫られるシーンとか、
入れ替わったことでこまったことになった時のリアクションが面白いw
若さまはあくまで侍言葉で上品、
力太郎は町人だからもーおとなしくできない。
若さまならではのちょっとカタめのところと、
町人のぐだけっぷりと、ほんと違和感ないんですわ。

この物語はそんな雷蔵さんの二役を楽しむ作品ですが、
ラストの着ぐるみのトラ&クマまで暴れるわ、
ターザンみたいに蔦にぶら下がって悪い者どもをやっつける芸人達は何ですかっ(爆笑)。
全般的に半分強お笑いが入りつつ、ゆるく楽しめる映画でした。

清川虹子さん演じる、旅の一座の座頭・蘭々斎天花の打てば響くパリッとした言動もかっちょよかったです。


しかし、力太郎とお小夜はめでたしめでたしだけど、お蝶はどうなったんでしょうね?


テーマ:時代劇映画
ジャンル:映画
 映画「眠狂四郎無頼剣」(1966年・大映)
2012年06月04日 (月) | 編集 |
久しぶりに雷蔵さんご出演作品を時専で見ましたが・・・
しびれた・・・・!!
雷蔵さんといい、天知茂さんといい、絵づらといいすんばらしい!



眠狂四郎 無頼剣 [DVD]

(あらすじ)※時専より

眠狂四郎(市川雷蔵)は、居酒屋である事件の話を聞いた。江戸で1、2を争う油問屋弥彦屋へ白昼、浪人・愛染(天知茂)が忍び込み、ランプ燈に使う油精製の原理が書かれた図録が盗まれたという。
それは大塩中斎とその息子によって研究されていたもので、父子はその権利を一万両で譲り、貧民救済資金に充てるつもりであったが、商人の裏切りに遭い、大塩父子の首は河原にさらされることとなった。
愛染(天知茂)は父子を死に追いやった張本人・老中水野忠邦への恨みを晴らすべく、江戸を火の海にしようと企てていたのであった。狂四郎は愛染一味と対決する!

(キャスト)市川雷蔵(眠狂四郎)/天知茂(愛染)/藤村志保(勝美)/工藤堅太郎(小鉄)/島田竜三(伊佐)/遠藤辰雄(日下部玄心)/上野山功一(一文字屋巳之吉)/香川良介(弥彦屋彦右衛門) ほか

監督:三隅研次
脚本:伊藤大輔

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(感想等)

あれはチェンバロの音色でしょうかね?
随所で同じ音楽が奏でられるのですが、各場面と共に印象的に残りますね。
ちょっと格調高くもあり、美しい。

始め弥彦屋に押し入った際の愛染、弥彦屋の下のお嬢ちゃんを利用したとはいえ、
子供にはとっても優しくて、ニヒル天知茂さんが子供に相好を崩す表情を見て、
いきなり撃ち抜かれる熊猫屋(笑)。

そこから愛染がただの悪役じゃない魅力を知るのでございました。

しかし、「まるで愛染が主役」という向きもあるようですけれども、
雷蔵さんもいつものよーにむっちゃ魅力的。
(釣りんとこの土下座はビックリしましたけどねwそういうキャラではないだろと^^;)
魅力としてもほぼ互角の対峙に、ドキドキした熊猫屋でございます。
敵役も魅力あってこそ、両者が引き立ってより作品が素敵に見えます。
見る方は緊迫感に手に汗握るし、ドキドキする。
この作品はそのように感じました。

狂四郎の黒・愛染の白、共に「円月殺法」の遣い手がほぼ互角の戦いを見せる。
月明りの屋根の上、最後のガチ対決の時はも~目を皿のようにして見て、
そしてしびれました(*´Д`) =3はぅ

遠藤辰雄さんが小悪党な役で出演されてましたね・笑
月明りの橋の上、狂四郎と遠藤さん演じる日下部一味が対峙しますけれども、
あっさりと(わはは)

子供を長屋に狂四郎が送った時の愛染との言葉を交わした時とか
(釣り場面もですけども)
会うごとにニヒル天知さんの眼光がギラッと射抜くようでございます。
藤村志保さん演じる勝美にも容赦なく、
「こちらの邪魔になるようだと待った無しに消すぞ」とお見通し&容赦なし(( ;゚Д゚))ブルブル

狂四郎も
「思う事言わねば腹膨るるとかで、余程思案に余ることなら聞かぬわけでもない。
但し、断っておくがワシはまともな人間ではない。
当の本人が言うのだからます間違は無いと承知の上でなら」と、
緊迫感ある台詞あり(( ;゚Д゚))ブルブル

台詞に・行動に・殺陣にドキドキする(&させられる)、心地好い緊張感。
見ていて最後まで飽きません。


最期の愛染が、弥彦屋の女の子との約束をちゃんと覚えていて、
その子にあげるおもちゃを懐から出して果てるシーンは泣けた。・゚・(つД`)・゚・。
そして、その竹細工のおもちゃが屋根を滑りカラカラと落ちていく様に、
熊猫屋涙腺ダバー・・・・愛染っっ!!

火事で燃える町に鳴り響く半鐘。
遠い目でいずこを見る狂四郎がもの哀しげでありました。

雷蔵さんも天知さんも私には素敵な作品でございました。
絵づらも月下の場面とか美しく、
満足の作品でございます。




テーマ:時代劇映画
ジャンル:映画
 映画「新選組始末記」(1963年・大映)
2012年04月30日 (月) | 編集 |
(あらすじ)※時専より

浪人・山崎蒸(市川雷蔵)は恋人・志満(藤村志保)の反対を押しのけて新選組へ入った。
その頃、局長・芹沢鴨(田崎潤)の乱暴な振る舞いを見かねた土方歳三(天知茂)は、芹沢の腹心・新見錦(須賀不二男)を切腹させ、さらにある夜、自ら沖田総司(松本錦四郎)らを伴って、愛人たちと泥酔して寝込んだ芹沢を襲って惨殺した
。蒸は土方の策謀に反発し、これを黙認していた近藤勇(城健三朗/現・若山富三郎)をもなじった。
近藤は蒸の言葉を受け入れるが、土方は彼の純粋さを危険視する。そんなある日、蒸は誤って公儀役人を斬ってしまう……。

(感想等)

お久しぶりの更新です^^;

キャストが田崎さんとか天知茂さんとか、若山さんとか濃い面々が。
芹沢鴨を演じる田崎さん。
のっけから横暴っぷりが堂に入ってますなぁ(笑)

若山さん演じる近藤の大らかな人柄に惚れこんで、
新選組に入隊することにした雷蔵さん演じる山崎

浪人生活にけりをつけ、恋人の反対を押し切って彼は行く。
(そういえば、現代の新撰組ものって羽織がダンダラ模様に浅葱色ですが、
この映画も含めてこの時代につくられた新撰組もので浅葱色の羽織ってあったかしら?)

15歳の大津彦平役の高見国一さん、侍になりたい一途さが可愛い^^
それと相反して借金のとりたてにきた商家の女性を犯す芹沢局長の鬼畜っぷり。
近藤が諌めても逆ギレ。

そして、死刑執行人にように局中法度を破った新見に切腹を申しつける、
土方演じる天知茂さんの冷徹さ。


局長たる芹沢にも切腹をと迫る山崎に、
近藤と土方は、彼の話を聞き入れつつもそれは幹部が決めるという。
次期局長となる近藤が芹沢に対して直接手を下すのはマズいので、
ここは自分がと土方が。
切腹させるんだよと言う近藤に、土方は「隊の規約ですから」とわずかに口の端を上げるも、
その冷徹な目の中では別な事を考えているよう。


土方は沖田らと共に芹沢のいる八木家に乗り込み、
障子をぶっ倒し、寝込みの芹沢鴨を障子の上から刺す土方ら
(やっぱり近藤さんの言う温厚解決=切腹にしなかった氷の男・天知土方・笑)

最期は槍で突かれて血まみれの芹沢局長昇天。
呵々大笑する原田左之助を、
「笑うとは何事か!」と現場にやってきた近藤。
(嗚呼・・・・田崎さん目を見開いて死んだ演技でござんす)

「局長は賊に斬られた!賊はまだ近くにいる、逃がすな!」と、
わらわらとやってきた隊士に激を飛ばし、あくまで冷静な土方。
しかし一人、山崎だけは「卑怯じゃないですか!」と土方に食ってかかる。
そんな山崎を笑って軽くいなす土方
(くっ・・・・なんかここまで見ていて天知さんかっっこええわぁ♪)


近藤にも、それが男の心意気かと詰め寄る山崎。
そんな山崎に自分だけが正しいと思うな止むをえぬ場合もあると近藤。
心もやもやな山崎くんである。

芹沢局長の葬儀。
近藤さんはまだ本気にも見えるが、土方の涙はウソくさい(爆)
そんな土方をまたもじっと見る山崎。


長崎に行って医師になるようにと言われている恋人・志満。
あなたの目が死んでいると確信をつく志満。
近藤を否定する志満に、違うと山崎は否定するが、
またももやもやな気持ちの山崎くん。
そこへ、河原で斬りそこねた浪人が押し入り、山崎は斬った。
おびえまくり、尋常ならぬ悲鳴をあげる志満(ちょっとこわい^^;)


写真をとる場面の近藤さんの場面がほほえましい(笑)

料亭で酒を酌み交わす近藤と土方。
はなっから近藤を局長にしたかった土方。
昔話を交えながら語らう
(この場面、なんとなく好きだなぁ^^)

一方酒場で一人呑む山崎を見かけて沖田が。
昇進を断る山崎に意地っ張りだなぁと沖田。

そんな折、隊士の藤堂が奉行所に捕縛された。
そのことを利用して、土方が罠を仕掛ける。
山崎はその罠にかかり誤って公儀の役人を斬ってしまった。


会津公側から責められ、土方は山崎の切腹を言うも、
近藤は逃げましたと言う。
その後、山崎は近藤に切腹すると言うが、
私が逃亡したと言ったのだからそういうことにしないと格好がつかんと、近藤は笑う。
勤皇側の陰謀をつきとめることができれば、隊の結束があがるのではないかと、
深謀遠慮気味に話す近藤。
その意図に気づく山崎。

山崎は薬売りに化けてとあるところにいた。
(助手に、かの少年隊士の大津彦平=乞食に化ける)
が、勤皇の一人に見つかって逃げ、腕を負傷した山崎。
志満のところまで行き、その姿に驚く志満。

山崎の報告に対して、疑いを持つ土方。
それに対して命がけで探索しているんだよと近藤は言うが、
土方は山崎の一本気なところを逆に警戒していた。

あらあら、やっぱりラブな話は抜きにはできぬか(笑)。
山崎と志満さんがいい雰囲気に。
でも、そののほほ~んのんびりな中、
自分はこのままでいいんだろうか?とまたもやモヤモヤ~んな山崎くん。

そんな山崎が出た次の行動は、
さっき志満さんに誓ったのに、やっぱり別れてくれ侍を離れられないと書置きして去ったのだった
(酷い(´ω`;))


山崎と大津は古高俊太郎を捕えることに成功し、
古高は土方らに激しい拷問をうける
(土方さん、容赦なさすぎ)

古高俊太郎は四国屋と吐いた。
大して山崎から池田屋と聞いた近藤は、山崎を信じようとする。
(ここで頑なに山崎を信じようする近藤さんがちょっとわからんのだが)

会津の援軍を当てにすることができない中、
苦肉の策として近藤局長は自分を含む7名を池田屋、
土方を筆頭とする残り20名を四国屋とし、それぞれ向かう。

しびれを切らし、大津が連絡しに行こうと外に出ると、
勤皇の志士一人に見つかって斬られる
(「侍として死にたかった」と大津少年果てる(TωT))

おいおい新選組が入る前に山崎VS勤皇か?^^;
と思ったら、局長らが間に合ったー(・▽・)
(若山さんの豪快な殺陣が見どころっ♪)

そして、四国屋から引き返してきた土方らも間に合ったっ!!

土方「四国屋には誰もいなかった。古高は侍だったよ」
そして
土方「俺の負けだ、山崎。近藤さんはあくまで君を信じ抜いた。兜を脱ぐよ」
(あ、この場面の天知茂さんが爽やかwでも目が笑ってないっw)



まだ難しい顔をしている山崎くんだけど、モヤモヤは晴れたんでしょうか?


嗚呼・・・・凄い死屍累々場面^^;
卑怯なことに、事が終わってやっと会津藩がやってきて御苦労とねぎらった。
そんな会津に皮肉一つをぶちかましつつも受け入れる近藤局長(笑)

去っていく隊士を見る町人たちの中に、志満の姿も。
未だに難しいモヤモヤ顔の山崎くん、彼女を見つけるもそのまま前を向いて去っていった。

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史実でも近藤局長に可愛がられていたらしい山崎。
本作の土方さんが山崎くんに嫉妬玉か!?と思わせるような雰囲気もありましたが(笑)、
本作、終わってみれば雷蔵さんより天知茂さんの方が美味しかったような

新見の切腹場面で、緊迫感が漂っているなか外のお囃子の音に
「後で狂言を観に行こう」と余裕の発言や、
近藤さんと二人で楽しげに話している中、
「東雲が待っている」とニヤリと退散するとことか、
うって変って拷問の鬼畜さといい、悪玉としてのニヒル天知さんの魅力がたまりませんな(爆)。

大らかな近藤を演じた若山さんもはまっとりました。
この度量の深さには、さしもの鬼の土方も太刀打ちできませぬ。

ところで、雷蔵さん演じる山崎君はふっきれたのかしら?
ずっとモヤモヤした顔をしてたもんで(笑)。
ラスト近くで沖田の差し出した手を握って握手しつつ近藤を見る場面で何か思うことができたのか?
と思ったら、志満さんを見た顔はもやもや君のままだったようにも見えた?ので、
彼は思い切ることができたのだろうか?と、
こちらもモヤモヤした熊猫屋でございました。










テーマ:時代劇
ジャンル:テレビ・ラジオ